中大規模建築物を木造で作る場合の課題

■大きな空間をつくることができるか

→在来軸組工法+木造トラスで大空間を

大断面集成材や特殊工法など、コストをかければ鉄骨造並みの大空間はできます。しかしこの場合は一般的に大空間をつくるのに適した鉄骨造に比べて高コストとなる可能性高いです。メリットとしては「木質空間の要望」「木を使う意義」を満足するということになると思います。それに比べて在来軸組工法+木造トラスは特殊工法を使わないので、工務店・職人を選びません。業者の間口が広がり、コストが下がります。また、「軽い」ので基礎のボリュームが小さくなりコストが下がります。また建築の計画にもよりますが、基礎の工法も在来工法の木造住宅で広く採用されているべた基礎に近い形で計画することができ、こちらでも施工可能な業者の間口が広がりコストダウンにつながります。出来る空間は階などの条件にもよりますが、10m×20mぐらいの無柱空間は難なくできます。体育館程とはいかなくてもかなりの「使える」広さではないでしょうか。

■防火・耐火の規定をどうクリアするか

→「外壁耐火」構造や「燃え代設計」で準耐火建築物ができます

木材をプラスターボードなどで被覆してしまえば耐火構造が可能となってきますが、それでは出来上がったときに木造なのか鉄骨造なのかわかりません。コストだけをメリットとする場合はいいかもしれませんが、せっかくなので構造体を現す木質空間を実現したいものです。

平成26年に外壁の耐火構造の告示に木造の仕様が追加ています。個の告示を使えば外壁耐火の準耐火建築物が可能。これで建物内部は木の構造体を現しにすることができます。もう一つの方法は「燃え代設計」。表面が燃えても構造耐力上問題がないよう、燃え代を見込んだ大きな断面の木材を使えば、柱や梁など構造体の木造を室内に現すことが可能です。ただしこの場合は見せる梁や柱が一般的ではないサイズになるのであまりたくさん使うとコストアップにつながります。