建物見学と講演会

安藤忠雄さんが恵那市で設計したサービス付高齢者向け住宅の内覧会と、合わせて行われた講演会に行ってきた。


安藤忠雄さんの講演はもう学生の頃から数えて4~5回は聞きに行った事があると思う。建物も沢山見学に行った。本等の資料も結構目を通している。なんせ私が建築を学び始めたころの建築界のヒーローでしたから。好みは別にして。
今回もパワーをもらった。

恵那にできた「サ高住」。
規模は違えど、同じ用途の建物を同じ恵那に設計した身としては、どうしても見ておかねば…
私たちは内装に木をふんだんに使い、暖かさ、落ち着きを出そうとしたり、各室の入口ごとに入口らしい分かりやすいデザインをしようとした。それは当然クライアントの要望であるし、高齢者の住まいだからそれでいい…と思う。多くの事例でも同じような答えが多い。しかし安藤さんのこの建物はミニマルデザイン。中は真っ白、幾何学で構成された線の少ないデザイン。サインも最小限。これでもいいんだ、と思う。
どんなに美しいミニマル建築を作っても、建物は生きていて利用者に合わせて変化していく。そこで生活が行われ、予期せぬものが置かれ、張り紙がされ、臭いが出てくる。でもそれでいいのでは?温かみ、落ち着き、木をたくさん使えばいいのか?それはハードである建築の役目なのか?と問われているような感じ。それに当然ミニマルデザインが好みで、スタイリッシュに生活したいという高齢者の方だっているのだし。
どんなデザインが求められるかによると思うが、答えはいろいろ。
なんてことを考えなら見学…勉強勉強。